コラム
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資本主義社会において「収益向上」は企業が最も優先すべき事項の一つです。この収益向上とは一般的に「売上高」の増加を意味しますが、そのためには営業力の強化や付加価値の高い製品の開発や拡販、市場における競争力強化、差別化といった抜本的な施策が欠かせません。一方で、売上の中に占めるコストや利益に着目して、無駄なコストを減らし利益を増やす「収益改善」のへの取り組みも不可欠です。
そこで今回は、企業がどのように収益向上や収益改善を図るべきかについて、なるべく最短で改善に導くための基本的な考え方、取り組み方について解説します。
目次
一般に収益向上と収益改善に明確な線引きはなく、どちらも同じような意味合いで用いられています。ここでは自社の売上高を押し上げるための施策を「収益向上」、売上高の中のコストや利益に着目し、コスト削減と利益拡大を図る施策を「収益改善」と区別して解説します。
それぞれの具体的な施策を考える前に、まず自社の営業力が目標の水準に達しているか、自社製品の付加価値が十分に高いか、市場競争力において他社に勝る強みがあるかという自己分析を行いましょう。その際は、売上高に対するコストと利益の関係も再確認しておきたいところです。
また、営業力強化など自社の売上高を押し上げる施策を打ったとしても、高コスト・低利益になる要因を放置したままでは効果が半減してしまいます。まずは自社に収益改善の余地があるかどうか確認してみましょう。
収益が芳しくない企業では「利益は企業活動の結果」として考えられている場合があります。これでは、売上規模が小さい客先に対しても、大口顧客と同様の営業工数を多くかけてしまいがちです。売上そのものは上がっても、利益の薄い状態が続けば、次の事業に再投資するだけの余力が生まれず企業の成長は鈍化し、負のスパイラルに陥ってしまいます。
収益改善に欠かせないのは、自社の製品やサービスでどれだけの利益を生みたいかを考える「利益優先」思考です。利益を目標ととらえることで、自ずと許容できるコストが決まります。利益を確実に生むためのコストの上限をシビアに検討しましょう。
利益を目標に据えれば、利益を出すための営業手法や開発手法にシフトしていくので、自ずと売上アップ=収益向上が図られるようになります。利益を目標としてコストやその他の要素を最適化する経営体質に変革していくことが収益改善の第一歩と言えるでしょう。
前述したように、収益改善の余地があればまずそこから着手すべきです。次に自社の売上高を押し上げるための施策、つまり収益向上に着手します。では、収益向上の施策には具体的にどんなものがあるのでしょうか。以下では3つのポイントを解説します。
量と質の両面から営業力強化を考えます。量の面は、人員の増強や目標の見直しです。単に人を増やしただけではコストがかさむ一方です。これまで取り組んでこなかった営業手法や目標設定も取り入れることで、個人のパフォーマンスを引き出すよう取り組んでいきましょう。ただし、過度な目標(営業ノルマ)は設定モチベーションの低下や労働条件の悪化につながります。人員の増強と目標の見直し、両方の兼ね合いが大切です。
質の面では、営業部員のスキルアップが主なテーマとなります。必要な教育・研修を充実させながら、成果に応じた見返りがあるような報酬制度を見直す必要もあるでしょう。
10万円の製品で1,000万円の売上を作るには単純計算で100個売らなくてはなりません。しかし、一つ100万円の製品なら10個売れば1,000円の売上を達成できます。まずは自社製品の中でもっと高く売れる製品、付加価値をアピールできる製品が開発できないかどうかを再検討してみましょう。
もし、現状で有望な製品があれば、そこに営業力をフォーカスして一層の拡販を図るべきです。商品単価の高い製品をメインに売っていくことが、収益向上の近道になるでしょう。
付加価値が高く、商品単価が大きい製品でも、同じ市場で多数の競合がしのぎを削っている場合、単純な拡販作戦では容易に収益向上が図れません。この場合は、他社にはない特色、魅力を製品に付加して差別化することが重要です。ただし、市場競争力の強化や差別化は難易度が高いのも確か。とは言え、企業として大きく飛躍するためには避けて通れない道でもあります。
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収益向上、収益改善は多くの企業にとって最優先の経営課題です。それだけに、高度な専門性が要求される施策も非常に多く、社内で解決を図るには難しい面もあります。それなら外部のアドバイザーに相談し、知恵を借りてはいかがでしょうか?
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