コラム
マネジメントバイアウトは、不採算事業の整理や中小企業の後継者問題の解決などに役立つM&Aの手法です。概要と実施の流れ、活用するメリット・デメリットを紹介します。
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目次
マネジメントバイアウト(MBO)はM&Aのひとつです。経営陣や従業員が、自社株やある事業部門を買収して独立する手法を指します。代表的な例として、本業とシナジー効果の弱い子会社を切り離す際に、他社ではなく現経営陣に株式を売却するケースが挙げられます。
マネジメントバイアウトは、1990年代後半ごろから日本でも注目を集めるようになりました。注目を集めた理由は、バブル期に多角化経営に乗り出した企業の多くが、景気低迷に苦しめられていたからです。低収益事業、不採算事業の整理、つまり経営合理化の手段としてマネジメントバイアウトが注目を集めだしました。また最近では、上場企業が上場を廃止するため、中小企業が後継者問題を解決するため、マネジメントバイアウトを選択するケースが増えています。
マネジメントバイアウトを活用すれば、経営陣や従業員が株主から株式を購入することで経営権を引き継げます。したがって、中小企業の後継者問題を解決できます。買収資金は、金融機関から調達することが一般的です。後継者の手元資金が少なくても、マネジメントバイアウトを活用できる可能性はあります。
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マネジメントバイアウトは、どのように進めればよいのでしょうか。基本的な仕組みと実施の流れを解説します。
マネジメントバイアウトでは、経営陣などがオーナーから株式を買い取ります。株価算出の根拠になるのが企業価値です。非上場企業の場合、次の方法などで企業価値を算出します。
【企業価値の算出方法】
最初に、これらの方法などで売却する企業の価値を算出します。
買収資金が不足している場合は、会社を引き継ぐ予定の経営陣が特別目的会社(SPC)を設立します。特別目的会社は、資金調達などを目的として企業が設立する会社です。つまり、特別目的会社が、借入金の受け皿になります。
特別目的会社を起ち上げた経営陣は、金融機関などから株式取得に必要な資金を借り入れます。資金調達先の候補は、金融機関・ファンド・日本政策金融公庫などです。次に、借り入れた資金などを活用して、株主から株式を取得します。売買代金は、特別目的会社から株主へと支払われます。
株式取得後、買収した企業を特別目的会社の子会社にします。次に、特別目的会社と子会社を合併して、マネジメントバイアウトを完了させます。以上の手続きで、経営陣などに会社を引き継ぐことが可能です。
マネジメントバイアウトには、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的な4つのメリットを紹介します。
企業買収というと、多額の自己資金が必要と思われがちです。しかし、マネジメントバイアウトでは、買収価格が高額になりづらいうえ、金融機関・ファンドなどから買収資金を調達するため、新経営陣は多額の自己資金を必要としません。中小企業の後継者問題解決などに活用しやすい手法といえるでしょう。
未公開株であっても、相続が発生すると相続税を課税されます。相続人は、相続税を基本的に現金で納めなければなりません。マネジメントバイアウトにより、相続税の納税資金を確保できます。現経営者が保有している株式を売却できるからです。一般的に、未公開株は現金化しづらいと考えられているため、現金化できる点はマネジメントバイアウトの大きなメリットになりえます。ちなみに、一定の要件を満たせば物納も可能ですが、株式を納税に活用することはおすすめできません。納税後に売却されると、経営に思わぬ影響が及ぶ可能性があるからです。
マネジメントバイアウトは、会社の信用と雇用の安定を保ちやすい傾向があります。現経営陣が会社を引き継ぐからです。大きな変化は起こらないため、取引先から取引を中止されることや従業員の大部分が解雇されることなどは基本的に考えられません。これまで通りの環境を保てるため、ステークホルダーから理解・協力を得やすいといえるでしょう。
経営陣などの独立意識を高めて、経営を強化できる点も見逃せません。独立意識が高まる理由は、現経営者が退くことにより経営陣などが独り立ちに向けて動き出すからです。独り立ちに向けて動き出すことで、それぞれの意識・能力は高まります。結果として、経営強化につながる可能性があるのです。経営陣などの成長を促すきっかけとして、マネジメントバイアウトを活用することもできます。
マネジメントバイアウトにはデメリットもあります。検討にあたっては、以下の点に注意が必要です。
経営陣などが事業を引き継ぐため、大幅な経営方針の転換は望みづらいといえます。経営権をスムーズに移行できる点はメリットですが、経営陣が「これまで通り」に固執しすぎると環境の変化に対応できない可能性があります。収益の悪化などが原因でマネジメントバイバイアウトを活用する場合は、経営陣が現在の状況に適切に対応できることを確認しておく必要があるかもしれません。
マネジメントバイアウトでは、利益相反による経営陣と既存株主との対立にも注意が必要です。株式を買い取る経営陣などと、株式を売却する既存株主では、株価に対する考え方が基本的に異なります。経営陣は出来るだけ安く、既存株主は出来るだけ高く取引をしたいと考えることが通常です。したがって、双方が納得できる妥協点を見いだせないと、既存の株主が取引に応じず、マネジメントバイアウトが失敗に終わってしてしまうことも考えられます。必ず成功するわけではない点に注意が必要です。
中小企業がマネジメントバイアウトを行う場合、特別目的会社を起ち上げて金融機関などから買収に必要な資金を借り入れることが一般的です。借り入れた資金は、買収した会社の負債になります。したがって、会社買収後に返済を続けていかなければなりません。また、中小企業では、経営者が個人保証をつけて融資を受けていることが一般的です。会社を買収すると、一括返済、あるいは借り換えなどで経営者の個人保証を外すことになります。これらの負担は、買収後の会社にかかります。以上の理由から、マネジメントバイアウトを行うと、債務の圧縮など財務体質の改善を迫られるケースが少なくありません。
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経営陣や従業員が、自社株を買い取るなどして独立する手法をマネジメントバイアウトといいます。不採算事業整理のほか、中小企業の後継者問題解決などに役立ちます。マネジメントバイアウトのメリットは事業の継続性を保てること、デメリットは経営方針の大きな転換を望みづらいことなどです。マネジメントバイアウトに興味がある方は、顧問と企業のマッチングサイト「顧問バンク」で、M&Aに強い専門家を探してみてはいかがでしょうか。
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