M&A戦略とは?策定方法や注意点を分かりやすく解説 | 顧問バンク

コラム

M&A戦略とは?策定方法や注意点を分かりやすく解説

M&Aに欠かせないのがM&A戦略です。M&A戦略を策定することで、売り手側・買い手側とも経営課題を解決しやすくなります。この記事では、M&A戦略の概要と重要性、策定方法などを解説しています。

M&A戦略とは

M&A戦略に明確な定義はありません。用いる企業、あるいは用いる場面などにより意味は異なります。以上を前提に定義すると「経営戦略に基づき定めたM&Aの基本的な方針」といえるでしょう。

したがって、M&A戦略は次の要素を満たしている必要があります。

【M&A戦略が満たすべき要素】

  • 経営戦略との整合性
  • 経営戦略に基づく相手企業の選定

相手企業として、経営戦略を実現するために必要な経営資源などを有する企業を選定する必要があります。M&A戦略はM&Aに欠かせない方針ですが、なぜ重要といえるのでしょうか。

M&A戦略を策定する目的・重要性

M&A戦略の目的・重要性は売り手側と買い手側で異なります。それぞれの目的・重要性は次の通りです。

売り手側

売り手側がM&A戦略を策定する目的は、よりよい条件で会社や事業を売却するためです。M&A戦略を策定しなくても会社や事業を売却することは可能ですが、「何のために売却するか」「何を売却するか」「いつ売却するか」「どの企業に売却するか」「いくらで売却するか」などが決まっていないと場当たり的な交渉になってしまいます。買い手側が明確なM&A戦略を策定していると、相手のペースに飲み込まれて思い描いていたイメージと異なる結果になってしまうことが少なくありません。例えば、売却に適した企業を逃してしまったり、希望譲渡額よりも安く売却してしまったりすることが考えられます。自社が交渉の主導権を握るため、M&A戦略を策定しておくことが重要なのです。

買い手側

買い手側がM&A戦略を策定する目的は、M&Aの失敗を防ぐためです。M&A戦略を策定せず場当たり的に会社を買収すると、「買収に多額の資金を使って経営状態が悪化する」「M&A後にシナジー効果を得られない」「買収した企業のブランドをうまく活用できない」などの問題が発生することが考えられます。失敗を防ぐために「M&Aの目的」「M&Aで獲得したいもの」「M&Aの予算」などを明確にしておかなければなりません。M&Aに失敗すると不要な資産を抱えることになるため、会社経営に悪影響が及びます。売り手側以上にM&A戦略の重要性は高いといえるでしょう。

M&A戦略の策定方法

M&A戦略は、どのように策定すればよいのでしょうか。基本的な策定方法を紹介します。

自社分析をする

M&Aの目的を明らかにするため、最初に自社分析を行います。自社分析の手法はさまざまですが、今回はSWOT分析をご紹介します。SWOT分析のSWOTの由来は、以下の頭文字です。

【SWOTの意味】

  • Strength:強み
  • Weakness:弱み
  • Opportunity:機会
  • Threat:脅威

強みと弱みは内部環境、機会と脅威は外部環境を表します。SWOT分析の目的を設定したうえで、各項目を洗い出します。SWOT分析で把握できるのは、自社が置かれている経営環境です。強み・弱みと機会・脅威を掛け合わせることで、機会の活かし方や脅威の避け方、つまり経営戦略を描けます。

目的を設定する

SWOT分析で描いた経営戦略をもとに、M&Aの目的を検討します。M&Aの目的は、経営課題の解決になることが一般的です。売り手側の目的は事業承継・資金調達・不採算事業の整理など、買い手側の目的は販路拡大・シナジー効果の創出・経営多角化などが多いといえるでしょう。

市場分析をする

目的を設定したら、買収先・売却先などを検討するために市場分析を行います。分析対象になる市場はM&Aの目的で異なります。シナジー効果を狙う場合は、自社がターゲットにしている市場を分析することになるでしょう。経営多角化を狙う場合は、自社がターゲットにしてこなかった市場を分析することになります。分析対象により、市場分析の難易度は異なります。

M&A先の企業を選定する

以上の分析結果に基づいて、M&Aの相手先をリストアップします。第1段階で20~30社程度をリストアップして、第2段階で目的などを照らし合わせながら数社に絞り込むことが一般的です。数社に絞り込んだら、各企業に優先順位を付けます。M&Aの結果を左右するため、相手先を慎重に選定することが重要です。

アプローチ方法を検討する

M&Aの相手先が決まったら、アプローチのかけ方を検討します。アプローチの主な方法は、直接交渉とM&A支援サービス(仲介会社・ファイナンシャルアドバイザーなど)の利用です。直接交渉は、短期間で交渉をまとめられる可能性があります。しかし、機密情報を含むさまざまな交渉を行わなければならないため、負担は大きくなります。M&A支援サービスの主な魅力は、社名を伏せてアプローチをかけられることと専門家からアドバイスを受けられることです。ただし、直接交渉よりもコストがかかります。

合意に向け交渉する

メリット・デメリットを勘案しつつアプローチ方法を選択したら、実際にアプローチをかけて交渉を始めます。アプローチをかける順番は「M&A先の企業を選定する」で決定した優先順位に従います。M&Aの目的を見失わず、粘り強く交渉することが重要です。

M&A戦略策定時の注意点

最後に、M&A戦略を策定するときに注意したいポイントを紹介します。

現時点でM&Aが最適戦略かどうかを確認する

M&A戦略を策定するときは「M&Aありき」で検討を進めないことが重要です。M&Aは、数ある経営戦略のひとつにすぎません。経営課題の解決に、M&A以外の経営戦略が適しているケースもあります。したがって、M&Aが最適な経営戦略か確かめつつ、M&A戦略を策定しなければなりません。

M&Aの目的を明確にする

M&Aの最終的な目的は、経営課題を解決することです。会社や事業を買収・売却すること自体が目的ではありません。したがって、M&A戦略を策定するときに、目的を明確にしておくことが重要です。目的があいまいだと、細かな条件にこだわって交渉が決裂してしまったり、会社や事業の買収・売却が目的にすり替わってしまったりする恐れがあります。自社の経営課題を解決するために、M&Aの目的を明確にしておきましょう。

自社に適した戦略を策定する

M&Aの手法は、いくつか存在します。したがって、目的に合わせた手法を策定する必要があります。例えば、株式譲渡は、株式を譲渡することで会社の経営権も買い手側に譲渡する手法です。事業譲渡は、売却代金を受け取り、事業部門などを買い手側に譲渡する手法です。不採算事業を整理したい場合、株式譲渡は適しません。会社の経営権も譲渡してしまうからです。目的に合わせた戦略を策定しなければなりません。

情報の漏洩に注意する

以上の他に、情報漏洩にも注意が必要です。M&Aの情報が漏洩すると、売り手側は取引先に不安を与えてしまう恐れがあります。最悪の場合、取引を停止されてしまうかもしれません。買い手側は、M&Aの成立を競合他社に妨害される恐れがあります。競合他社も交渉に参入して買収の条件を吊り上げられたり、競合他社が売り手側を買収してしまったりすることなどが考えられます。情報漏洩対策もM&A戦略に組み込んでおく必要があります。

交渉の前にM&A戦略を策定しましょう

経営戦略に基づき定めたM&Aの基本的な方針をM&A戦略といいます。売り手側にとってはより良い条件で売却するために、買い手側にとっては失敗を防ぐために、策定が欠かせないといえるでしょう。M&A戦略の策定は、「自社分析・目的設定・市場分析・相手先の選定・アプローチ方法の選定」の順で進みます。M&A戦略を策定するときは、M&Aの必要性を検討することや目的を明確にすることなどが重要です。ただし、M&A戦略策定を自社だけで行うことは難しいといえます。M&A戦略の策定には専門的な知識が欠かせないからです。M&Aを検討している方は、企業と顧問のマッチングをサポートする顧問バンクでM&Aに詳しい専門家を見つけて相談してみてはいかがでしょうか。

   

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