ベンチャー企業が株式を上場させるメリット・デメリットを解説 | 顧問バンク

コラム

ベンチャー企業が株式を上場させるメリット・デメリットを解説

ベンチャー企業が株式を上場する主なメリットは資金を調達できることです。ただし、デメリットも存在します。この記事では、株式上場のメリット・デメリットとベンチャー企業が遭遇しがちな問題の解決法を紹介しています。

株式市場の種類

日本国内には、以下の株式市場が存在します。

【日本国内の株式市場】

  • 東京証券取引所
  • 札幌証券取引所
  • 名古屋証券取引所
  • 福岡証券取引所

東京証券取引所の上場会社数は3,789社(2021年11月19日時点)、札幌証券取引所の上場会社数は58社(2021年11月24日時点)、名古屋証券取引所の上場会社数は282社(2021年11月24日時点)、福岡証券取引所の上場会社数は109社(2021年11月1日時点)です。

株式を上場するのであれば、市場規模が大きい東京証券取引所がおすすめです。ベンチャー企業は、基本的に東京証券取引所のマザーズまたはJASDAQに上場します。ただし、2022年4月に東京証券取引所の市場区分が変更されるため、上場を検討する場合は新しい市場区分について理解する必要があります。

株式市場の再編によりベンチャー企業の上場はどうなる?

東京証券取引所は、2022年4月4日に市場区分の見直しを予定しています。各市場の位置づけが不明瞭などの問題を抱えているからです。2022年4月4日以降、3つの市場区分に再編されます。

新しい市場区分対象
プライム市場機関投資家の対象になりうる時価総額があり、高度なガバナンス水準を備えている企業
スタンダード市場一定の時価総額があり、基本的なガバナンス水準を備えている企業
グロース市場高い成長を実現する事業計画があり市場から一定の評価を得ているものの、事業実績からリスクが高いと考えられる企業

2022年4月4日以降、ベンチャー企業は基本的にグロース市場を選ぶことになると考えられます。

ベンチャー企業が株式を上場させるメリット

ベンチャー企業が株式を上場させるメリットとして以下の3点が挙げられます。

【株式上場のメリット】

  • 資金調達
  • 組織・経営体制の再構築
  • 知名度の向上

それぞれのメリットについて解説します。

資金調達ができる

最も大きなメリットは、新規株式公開で資金を調達できることです。具体的な調達金額は、「新規公開する株式数×公開価格」で求められます。株式上場で調達した資金を、新たな事業に投資することなどができます。

ちなみに、売出し株式は企業の資金にはなりません。株主の資金になるからです。売出しは、不特定多数の人(50名以上)に対して同じ条件で取得の申し込みを勧誘することなどを意味します。したがって、株式上場で創業者の利益を確保することやストックオプションを実施して従業員に利益を還元することなどもできます。

組織・経営体制を再構築できる

組織や経営体制を見直せる点も新規上場のメリットといえます。

組織や経営体制を見直せる理由は、上場審査でコーポレートガバナンスと内部管理体制の有効性などを問われるからです。具体的には、企業の規模や成熟度に応じた内部牽制制度・内部監査制度の整備などが求められます。したがって、上場審査を通して不正を防ぐ仕組みを導入できます。

上場審査で事業の合理性を問われる点も見逃せません。合理的な事業計画を実現するための基盤整備を求められるため、事業の見直しも進められます。株式上場を行うことで、自社を成長させられる可能性があります。

知名度が上がる

株式上場を果たすことで、広告費をかけずに自社の知名度を飛躍的に高められます。株式関連の新聞や雑誌、Webサイトなどで取り上げられるからです。また、厳しい上場審査を通過しているため、自社に対する信頼性も高まります。

知名度と信頼性が高まることで、資金調達と優秀な人材の確保が容易になります。目には見えませんが、知名度や信頼性が上がることは株式上場の大きなメリットです。

ベンチャー企業が株式を上場させるデメリット

株式上場にはデメリットもあります。検討しているベンチャー企業は、以下の点に注意が必要です。

経営の自由度が下がる

株式を上場すると、上場前に比べて経営の自由度が下がる恐れがあります。不特定多数の人が株主になるからです。物言う株主に配慮しなければならず、株価や配当も気にしなければならないため、思い通りに経営できなくなることがあります。

例えば、「スピード感をもって意思決定を行うことができなくなる」、「リスクのある投資を行いづらくなる」、「中長期的なビジョンを描きづらくなる」などのデメリットが考えられます。

上場に伴うコストがかかる

株式上場に伴いさまざまな費用がかかる点にも注意が必要です。代表的な費用として挙げられるのが、上場審査に伴う費用と新規上場料です。プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の上場審査に伴う費用と新規上場料は以下のようになっています。

【上場審査に伴う費用】

  • プライム市場:400万円
  • スタンダード市場:300万円
  • グロース市場:200万円

【新規上場料】

  • プライム市場:1,500万円
  • スタンダード市場:800万円
  • グロース市場:100万円

上場後は、年間上場料などもかかります。各市場の年間上場料は次のとおりです。

上場時価総額プライム市場スタンダード市場グロース市場
50億円以下96万円72万円48万円
50億円超250億円以下168万円144万円120万円
250億円超500億円以下240万円216万円192万円
500億円超2,500億円以下312万円288万円264万円
2,500超円超5,000億円以下384万円360万円336万円
5,000億円超456万円432万円408万円

上記のほかに、新株の発行等に係る料金、監査報酬、株式事務代行手数料などさまざまな費用がかかります。上場時・上場後にどれくらいの費用がかかるか確かめておくべきといえるでしょう。

買収リスクが上がる

不特定多数の人が自由に株式を売買できるため、上場すると買収や買い占めのリスクは高まります。例えば、投資ファンドが株式を買い占めて、役員を送り込む、経営改革を迫るなどのリスクが考えられます。買収リスクを理解して、対策を講じておく必要があります。

専門知識が必要となる

株式上場には専門的な知識が欠かせません。監査法人・主幹事証券会社の選定や経営管理体制の整備、内部統制組織の整備など、さまざまな手続きを行わなければならないからです。

通常はCXO人材を中心に、プロジェクトチームを編成して、全社レベルで対応します。専門的な知識を有するCXO人材が不在の場合は、CFOなど株式上場に強い人材を雇用しなければならないケースもあります。事業とは異なる専門的な知識が必要になる点にも注意が必要です。

メリット・デメリットを理解して上場を検討

国内には、東京証券取引所・札幌証券取引所・名古屋証券取引所・福岡証券取引所があります。規模が最も大きいのは東京証券取引所です。東京証券取引所は2022年4月4日に市場区分の再編を予定しており、ベンチャー企業は基本的にグロース市場を選ぶことになるでしょう。

ベンチャー企業が株式を上場すると、資金を調達できる、経営体制を再構築できる、知名度が向上するなどのメリットを得られます。一方で、経営の自由度が下がる、買収リスクが高まる、専門知識が必要になるなどのデメリットも存在します。メリット・デメリットを理解したうえで上場を検討するとよいでしょう。

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