コラム
顧問とのタッグで実現する「ちょっといい未来」~マーケティング編~
「品質・性能には自信があるのに、商品が売れない……」
「新聞広告を出稿したものの、反響が少ない……」
「Twitter や Instagram など、 SNS の運用に関するノウハウがない……」
こうしたお悩みはありませんか?
市場に商品・サービスを普及させるには、顧客のニーズや自社のポジションを踏まえたマーケティング戦略が欠かせません。しかし、日本企業には「作り手がいいと思うものを作る」「モノが良ければ売れる」というプロダクトアウトの発想が根強く残っており、マーケティング戦略、つまり「売れる仕組み」を持たないままに商品の企画・販促活動を行っている企業も多いのが現状です。
商品の認知拡大や新規顧客獲得のためには、販促活動をどのように行うべきなのでしょうか。ここでは「広告戦略コンサルタント」である棕澤氏の協力のもと、商品の販促活動を行う前に整理しておきたいポイントを解説します。
「昔ながらの手法で販促活動を続けている」「マーケティングの専門知識を持たない社員が手探りで商品の企画や宣伝を行っている」、そんな現状を打破して業績アップを図りたい経営者の方はぜひ最後までお読みください。
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目次
マーケティング戦略がないと、販促活動でも的外れな施策を進めてしまいがち……。あなたの企業にも、次のような課題はありませんか?
例)京都の老舗和菓子店(県内外に7店舗を経営、年商10億円)の経営者
地元産の原料にこだわった抹茶味のクッキーを企画しました。半年後の発売を目指していますが、具体的な広告戦略が立てられず、競合商品との差別化に課題を感じています。TwitterやInstagramなどのSNSを活用して、認知度を高められれば良いのですが……。
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「顧問バンク」で活躍されている広告戦略コンサルタントの棕澤顧問に、上記の課題に対する具体的な施策をご提案いただきました。
顧問プロフィール
棕澤顧問
経歴
コピーライターとして大手広告代理店に11年間在籍し、独立。現在は広告制作会社の代表を務めながら、「広告戦略コンサルタント」として紙やWebなど各種広告の企画制作を手掛ける。企業に対してSNSの活用や炎上対策を指南する「SNS利用アドバイザー」としても活動中で、Twitterのフォロワー数は約4万人。自社商品(ドレッシング)のブランディング(商品企画と販売促進)では、ゼロから年間1万本超を販売する規模に成長させた実績を持つ。
業界内のポジションに合わせた広告戦略の立案を得意とし、コピーライティング、商品企画の実体験をもとにしたマーケティング施策が提案可能。
棕澤顧問(以下、敬称略)
食品であれば「味」「品質」はもちろん大切ですが、広告戦略としてはその中身を伝えるパッケージ、および商品開発のストーリーも重要な要素になります。商品のバックグラウンドとなる物語をパッケージからわかりやすく伝え、多くの人が商品をトライしたくなるように仕掛けるべきです。「味」や「品質」への自信に甘んじることなく、パッケージや広告などの視覚的なコミュニケーションにもこだわることが大切ですね。
棕澤
顧客に商品を選んでもらうためには、まず顧客との接点を作ることが肝心です。その手法にはいくつかパターンがありますが、自分なら狙うターゲットや広告予算をヒアリングしたうえで、以下から最適なものを提案します。どの手法も単発ではなく継続して行うことで、効果を高められます。
消費者に商品の購買やクチコミの拡散などのアクションを促すには、消費者にとって価値のあるストーリーを提案することが必要です。前述の商品開発のストーリー、原材料・製法へのこだわり、それらを効果的に表現したネーミング、パッケージを、自社のホームページ(オウンドメディア)でしっかりと訴求しましょう。
今はスマホ経由で情報を得るがユーザーが多いですが、スマホだと長いテキストは読みにくいので、ビジュアル要素を重視します。様々な接点で情報に触れたユーザーが疑問を解消するページとして、あるいは業者向けの紹介資料としても、オウンドメディアの拡充をスタート地点と考えましょう。
棕澤
仲卸業者を介すことには、効率よく取扱店舗を拡大できる、仲卸業者分は事務処理を一本化できるという2つのメリットがあります。自社に販促ノウハウや人的なリソースがない場合は、仲卸業者との連携が不可欠と言えるでしょう。
また、今回の例である京都の老舗和菓子店のように、品質・産地にこだわった商品の場合は、やみくもに取扱店舗を増やすのではなく「こだわり商品を扱う」仲卸業者を選ぶことも重要です。これにより、価格競争を回避し、効率的に拡販することが可能になります。
棕澤
瞬間的に市場の反応を獲得するには、やはり著名人の起用が効果的です。ただしコストの問題があるので、この選択ができるのは独自に何らかのコネクションがある場合に限られると思います。また、SNSでの炎上などのリスクにも備える必要があります。
棕澤
商品の魅力を直接伝えられることが魅力ですが、出展費用との費用対効果はまちまちです。ブースの出展場所などによって、大きく客数が変わってしまうからです。なるべく出展費用を抑えられる展示会の情報を得られるように、こまめに資料請求するのが良いでしょう。
棕澤
色や形など見た目のわかりやすさ、いわゆる「映える」製品であればSNSによる拡散も期待できます。上記のように著名人を起用できれば相乗効果も大きいでしょう。
ただ、SNS のフォロワーを増やして情報を拡散させるには、専任の担当者を置いてこまめに更新し、視聴者からの反応に素早くレスポンスできる体制を作らなければなりません。自社のリソースを意外と割かなければならず、成果が出るまでに時間がかかることも多いので、SNSの運用には「根気強さ」も必要です。また、味覚というSNSで伝わりにくいポイントをどう伝えるかの工夫も必要です。
棕澤
このケースで宣伝用の YouTube 動画を作るとしたら、地元の材料から生産までを追いかけた動画で、品質の高さをアピールするのが良いと思います。海外でも人気のASMR(聴覚に訴える動画) 的な手法を取り入れるのも、面白いかもしれません。
棕澤
近年はデパートなどの小売店の影響力が弱まっているので、今回の例ではこだわり商品を扱うセレクト食品ショップに販路を広げ、セレクトショップの固定客に魅力を伝えることがヒットの近道と考えます。ただし、ショップ側のコンセプトやタイミングとフィットしなければ商品を置いてもらうことは難しいので、繰り返しになりますが商品のコンセプトやストーリー、パッケージのわかりやすさなどを煮詰めておくことが重要です。
また、実店舗での販売だけでは広がりに限界があるので、EC の活用も必須です。商品の情報がターゲットとする消費者の目に確実に留まるよう、ECコンサルティング会社に相談しながら広告を出しましょう。1クリックあたりの広告単価や広告表示に対する売上比率など、数字を見ながら改善を行えば、競合の多いECでも成果を出すことができるはずです。
棕澤
今回の例における販促活動の展開としては、まず自社のホームページに掲載する商品ストーリー、品質を訴求する文章、商品写真を充実させること、そのうえで試食会や展示会の中から低コストで実施できるものを選んで出展し、消費者の目に触れる機会を増やすことをおすすめします。
中長期的な成長を考えるといくつかの仲卸業者との連携、発売と同時にしっかりプロモーションしたいならECサイト(Web広告)の活用が良いでしょう。SNSの活用は、自社のリソースに合わせて継続的に行います。タレント、キャラクターの活用が可能な環境であればもちろんアドバンテージとなりますので、それを大きな柱として考えます。
広告を打って終わり、商品を配って終わりにしないためには、商品にクーポンを添付しリピートを促すというのも手段のひとつです。ただ、今回の例のような食品の場合は、「味」そのものがリピートの動機づけであるべきと考えます。品質重視で企画した商品であれば、その条件はすでにクリアしているはずですので、まずは商品を知らない人に商品をどう広めるのかを優先的に考えましょう。
販促活動で結果を出すには、市場調査・分析をしっかり行ったうえでターゲットに合わせた広報戦略を立てることが重要です。しかし、中小企業にはマーケティング部門や専任者がいないことも多く、「何から着手したら良いかわからない」という場合もあるでしょう。
そんな時は、マーケティングの専門知識や実務経験を持つ顧問にマーケティングのアドバイザリーを依頼してみてはいかがでしょうか。顧問に相談すれば、現状の課題を洗い出し、本当に意味のある施策に的を絞って費用を投資できます。顧問とのタッグで窮状を打破し、業績の底上げを図りましょう。
棕澤
販売促進にコストをかけられない中小企業の場合、明確な「正解」はありません。小さなトライアンドエラーを繰り返すことで精度を上げていくしか選択の余地がないのです。しかし自分だけで正解のない地道なトライを繰り返すのは物理的にも精神的にも負担です。何をすべきで何をすべきでないか、その精査のためには、他者の手を借りるのが結局は近道となります。
私自身、商品企画や販促については自社製品(ドレッシング)のマーケティングでノウハウを蓄積しているので、今回のケースに近いマーケティング施策なら実体験に沿ったアドバイスが可能です。過去には、不動産販売会社のパンフレットから Webコンテンツの制作までを一括で請負ったコンサルタント経験もあります。自社のリソースだけでは解決が難しい課題は、お気軽にご相談ください。
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棕澤
契約の際は企業が抱える課題のバックグラウンドを深く理解し、ボタンの掛け違いが起きないよう、私にできる支援の幅も提示するようにしています。
一般論として、様々な知見を取り入れながら事業を進めるほうが成功確率は上がります。そうした客観的な視点を獲得する選択肢のひとつとして、顧問バンクを活用してはいかがでしょうか。
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今後は動画によるコミュニケーションが広告の主になると考え、動画制作(撮影・編集)およびYouTubeの運用も行っています。