コラム
スタートアップ企業の海外進出にはさまざまなメリット・リスクがあります。この記事では主な海外進出のメリット・リスクや成功に向けたポイントについて詳しく解説します。
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目次
スタートアップ企業が海外進出を目指すメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、以下のメリットについて詳しく解説します。
1つ目のメリットは新規市場の開拓です。
国内市場は少子高齢化の影響などから、どんどん縮小しています。一方で、海外諸国では新興国を中心に人口は増加傾向にあり、経済的に発展している国が多くあります。
日本では飽和状態であっても、海外諸国では未開発のままになっている市場も残っています。スタートアップ企業にも参入余地があるため、新規市場の開拓も可能でしょう。
2つ目のメリットは生産コストの削減です。
海外には、人件費や原材料の物価がまだまだ日本に比べると安い地域が多くあります。これらの地域に生産拠点が築ければ、生産コストを削減し生産性を向上させることが可能です。資金力が乏しいスタートアップ企業にとってメリットになるでしょう。
なお、一昔前は、日本企業の多くが安い人件費と生産コストを目的にして中国へ進出し、中国は世界の工場と呼ばれていました。しかし、近年では中国の経済成長は著しく人件費も上昇し、生産拠点の多くは東南アジア新興国に移りつつあります。
税金面でも、海外拠点は国内に比べてメリットが大きくなります。
海外の法人税率は全体的に引き下げ傾向にあります。特に東南アジア諸国は、日本の法人税率23.2%に比べ、タイ・台湾で20%、シンガポールで17%など低くなっています。
加えて、東南アジアの新興国では外国企業の自国への投資を促進するため、さまざまな税制優遇制度を設けています。このような制度を活用する形で海外進出すれば、節税面でもメリットが得られます。
4つ目のメリットは企業のイメージアップです。
近年、グローバル化が進むビジネスの世界で海外マーケットを視野に入れた事業活動は、自社のイメージ向上につながります。
また、海外進出することで得られる価値観や経験、チャレンジしたノウハウなどは、間違いなくスタートアップ企業にとって将来事業につながるものであり、企業価値を高めてくれます。
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次に、スタートアップ企業が海外進出を目指す場合のリスクとして、認識しておくべきポイントを見ていきましょう。
まず、リスクとして挙げられるのが海外進出に必要な多額のコストです。
海外進出するにあたっては、現地のマーケット情報、顧客ニーズなどの市場調査、拠点設立に向けた情報収集、法人設立などに必要な法的手続き費用などさまざまなコストが必要となります。
もちろん、進出後には前述した生産コストが圧縮されるなどのメリットが得られる可能性もあります。
しかし、スタートアップ企業など資金が潤沢ではない時点での海外進出は、初期コストの多さや拠点開設後のリスクなどを十分に検討しておく必要があるでしょう。
文化や言語の違いによるトラブルもリスクの1つです。
日本と海外ではワークスタイルが大きく違います。日本では当たり前のことでも、海外では非常識だとされることも少なくありません。
また、言語の違いによるコミュニケーションロスによりトラブルに発展したり、ビジネスそのものがうまく機能しなかったりすることも起こりえます。
現地で拠点を開設する以上は、現地の文化や言語に順応し、現地の人に受け入れられなければ成功は見込めません。拠点開設を検討するにあたっては、文化・言語・政治・経済などさまざまな角度から慎重な検討が必要でしょう。
カントリーリスクとは、政治・経済の状況変化によって企業が受けるリスクのことを指します。
具体的には、政権交代などをきっかけとする海外企業に対する扱いの変化、天災などによるインフラ問題、宗教や文化などに起因する紛争などが挙げられます。
また、現地の法制度や規制も日本国内とは異なっており、情勢の変化によっては自社のビジネスに対する制限が厳しくなり、撤退を余儀なくされる可能性もあります。
次にスタートアップ企業が海外進出を成功させるためのポイントについて、詳しく解説します。
海外進出をする際、海外進出によって達成したい目的を明確にしておくことが重要です。
海外進出においては、進出にあたって必要となる調査や手続きに関する費用、現地拠点開設費用や人的コストなど多大なコストが必要です。特に資金力の乏しいスタートアップ企業にとっては、厳しい環境になるでしょう。
これらの課題を乗り越えて成功させるためには、海外進出をしてなすべき目的をはっきりさせておくことです。
海外市場の開拓や生産コストの削減など、目的を明確にしておくことで発生するリスクや対策を検討することが可能になり、トラブルが発生した際の判断も迅速に行えるでしょう。
企業開設当初から、海外進出を前提とした企業戦略を立てておくことも成功のポイントです。
今や、海外の起業家の中には起業当初から将来の海外進出を検討しているケースも多くあります。
こういった企業では海外進出を見越して、当該市場に詳しい人物を経営に招き入れたり、海外の生産拠点とコンタクトを取ったりするなどの準備を並行して進めています。
現地に詳しい人材を取り入れることも成功のポイントです。
海外進出する際に、日本国内で成功したモデルをそのまま持っていったとしても成功する可能性はそれほど高くありません。
製品やサービスは現地ニーズに合わせて提供することが重要になりますし、販売戦略や人事制度などにおいても、現地で受け入れられるようなものにローカライズすることが大切です。
これらを効果的に行ううえで、現地の文化や仕組みに詳しい人材の登用は成功のポイントと言えます。海外市場に詳しいCXO人材の登用も有効でしょう。
出口戦略を立てておくこともポイントです。
出口戦略とは、海外進出するにあたって投入した投資費用をどのようにして回収するのか、どのように次の事業につなげていくかを明確にしておくことを指します。
未上場のベンチャービジネスの最終目標は、M&Aによる売却やIPOが挙げられます。自社の資産や知的財産を把握し、これらの出口戦略を明確にしておくことが重要です。
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これまでご説明した通り、スタートアップの海外進出はグローバル化した現在、珍しいことではありません。
むしろ、スタートアップ段階だからこそ、海外進出を当初から想定した企業戦略を構築することでさまざまなメリットが生まれると言えるでしょう。
一方で、海外進出にあたってはカントリーリスクをはじめとしたリスクや進出時のコスト負担などがあることも確かです。
海外進出にあたっては、これらのリスクを十分に認識し出口戦略を明確にしておくことが重要だと言えるでしょう。
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