事務・管理部門のアウトソーシング、契約前に検討したいこと | 顧問バンク

コラム

事務・管理部門のアウトソーシング、契約前に検討したいこと

「単純作業を減らして社内の業務を効率化したい」「社員をコア業務に専念させたい」こうしたニーズから近年、総務や経理、人事で発生する事務処理をアウトソーシングする動きが多く見られます。こうしたバックオフィス業務のアウトソーシングは、一般に「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」と呼ばれ、人的資源に限りのある中小企業などを中心に活用が広がっています。

確かにBPOは定型的な業務を一括して外製化できるため、生産性を底上げしたい企業にとって便利なサービスです。しかし、導入後にどのような効果が期待できるかを事前に調査しておく必要があったり、業務の性格によってはアウトソーシング自体が不向きなものもあったりと注意すべき点も少なくありません。

そこで今回は、事務・管理部門のバックオフィス業務をアウトソーシングするにあたっての留意点や各サービスを比較検討する際のポイントなどについて解説します。

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バックオフィス業務をアウトソーシングする際の注意点

バックオフィス業務にはそれぞれに繁忙期が存在します。例えば、経理事務なら月末や期末といった節目、総務なら勤怠管理や有休管理などが集中する毎月の前半、人事なら査定・昇給の時期、年末調整の時期などが特に忙しい時期です。こうした繁忙期になると、通常の人員では業務をさばききれない状況になり、必然的に部署内で残業が超過したり、場合によっては営業など他部門から人をかき集めるなどして対応に追われたりすることもあります。

人員に対しての業務量が多すぎると、生産性が著しく低下することもあります。事務・管理部門で発生する定型的な作業を一括してアウトソーシングすることができれば、こうした状況を改善でき、社員に過重な労働を強いることなく、無駄なルーチンワークを減らして業務効率を上げることができるでしょう。

ただし、こうしたBPOサービスもただ無計画に利用すると、かえって生産性を損ねる結果となることがあるので注意が必要です。例えば、サービス提供業者とコミュニケーションがうまく図れなければ連絡や確認の手間だけでも自社の担当者の負担は増大し、生産性向上どころではなくなります。コミュニケーション不足の結果、納期の遅れ、作業ミスが多発して品質に問題が出れば、そのフォローで依頼側が振り回され、無駄なコストが生じることもあるでしょう。

アウトソーシングが可能な業務・難しい業務とは?

バックオフィスのアウトソーシングを成功させるには、どの作業を代行させるべきか、導入効果は十分得られるかといったことを事前によく検討することが重要です。

アウトソーシングに向いているのは、単純作業や定型的な作業です。例えば、経理なら請求書作成や発送業務、総務なら挨拶状作成、人事なら給与計算などがこれに該当します。こうした作業は集中する時期が決まっており、その意味でも外注化に適しています。もちろん、業務の遂行に際して高度な判断、迅速な判断が不要なので安心して依頼できるでしょう。

一方、迅速な判断が求められるような作業や、遂行に一定の責任を負うような業務はアウトソースには向きません。こうした作業をアウトソーシングするのはリスクが高いだけでなく、その管理業務で社内の負担が増える恐れもあるので、社内の人材に任せましょう。また、機密情報や現金を扱う業務なども同様です。

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事務業務アウトソーシングサービスの比較で着目すべきポイント

利用に際してまず慎重に検討すべきは、アウトソーシングすることで社内の生産性を確実に上げることができるかどうかです。それには、BPOサービスを提供する業者の処理能力や料金を総合的に比較し、コストに見合うだけの効果が期待できるかを検討することが重要です。

コスト面ではもう一つ注意したい点があります。それが追加費用の発生です。利用にあたって業務範囲の見通しが甘いと、依頼したあとになって「これも頼めばよかった」ということが往々にして起こりえます。当然、作業項目を追加すればその分、別途費用が発生し、想定外のコストが発生してしまうでしょう。

バックオフィスの人手不足への対応は経験者に聞くのがおすすめ

BPOサービスは、単純で定型的な作業の外注に向いています。しかし、闇雲に単純作業をアウトソースするだけではコストが莫大にかかってしまうでしょう。まずは、業務のうちの何を外注化すればコストパフォーマンスを最大にできるかを分析・調査し、社内の人材にとってやりやすい方法を導き出すことが重要です。

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