コラム
大きな成長を期待できるスタートアップ。本業に集中したいと考える企業が多いでしょう。しかし、経理を疎かにすると、トラブルにつながることがあります。スタートアップが経理で気をつけたいポイントと効率化を進める方法を紹介します。
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目次
スタートアップ時の経理で気をつけたいポイントは以下の通りです。
最も基本的なポイントは、こまめに仕訳作業を行うことです。仕訳作業は、取引を結果と原因に分けて記録することといえます。決算業務に欠かせない簿記の第一歩です。
日々の活動を資産・負債・純資産・費用・収益に分けて記録するため、時間が経過すると仕訳作業の負担はかなりのものになります。また、正確な内容も把握しにくくなります。
例えば、年度始めに行った詳細を記録していない取引を、年度末になって正確に仕訳しようとしても難しいことが多いでしょう。詳細を調べ直すだけでも時間がかかります。
ミスを発見しにくくなる点にも注意が必要です。一度にまとめて仕訳作業を行うと、一度に行う確認作業の量が増えます。したがって、ミスを発見しにくくなるのです。
仕訳は、簿記や決算の第一歩です。定期的に仕訳を行わないと、会社の実態を見失う恐れもあります。スタートアップ企業は、仕訳作業を定期的に行うようにしましょう。
会社の口座から現金を引き出して使ったときは、利用履歴を必ず残します。利用履歴がないと、引き出した現金を会社の資産として計上できないからです。仮払金などで処理することになります。
使い道を説明できないと、決算時などに社長が会社へ返済することになります。第三者から出資を受けている場合は特に注意が必要です。
従業員の給与は、源泉所得税(所得税および復興特別所得税)を差し引いてから支払います。給与を支払う場合、会社が源泉徴収義務者(国に所得税などを納める義務があるもの)になるからです。
源泉所得税を差し引かず給与を支払った従業員が退社した場合、連絡がつかなくなると会社が所得税および復興特別所得税を支払うことになります。給与は、源泉所得税を差し引いてから支払いましょう。
経理業務の負担を減らしたい場合は、税理士に依頼または会計・経理ツールの利用を検討するとよいでしょう。それぞれの概要やメリット・デメリットは次のとおりです。
税理士は税の専門家です。具体的には、税務代理(申告業務)・税務書類作成・税務相談・記帳代行・会計指導・節税対策・経営相談などに対応しています。
税務代理・税務書類作成・税務相談は税理士にしかできない独占業務です。具体的な業務内容は、税理士により異なります。
税理士に依頼する代表的なメリットは、会計・経理の手間を削減できるため本業に集中できることです。スタートアップ企業にとっては、特に大きなメリットといえるでしょう。
正しい税務を行えるため、税務調査が入りにくくなる点も魅力です。税務調査に入られた場合は、税理士が立ち会ってサポートしてくれます。
以上のほかでは、経営相談や資金繰りの相談を行える点も見逃せません。例えば、金融機関に評価されやすい事業計画書の作成をサポートしてくれるなどが考えられます。
代表的なデメリットとして挙げられるのが、顧問料がかかることです。具体的な金額は依頼先や依頼内容で異なりますが、月額数万円程度になることが多いでしょう。
税理士と相性が悪いと、顧問料を払っていても気軽に相談できないことがあります。税理士選びは慎重に行わなければなりません。
会計・経理ツールは、日々の活動を記録して、決算書の作成などを行えるツールです。具体的な特徴はツールにより異なります。
会計・経理ツールのメリットは、専門的な知識がなくてもツールを利用して記帳するだけで賃借対照表や損益計算書などを作成できることです。会計・経理の負担を大きく減らせます。
自動で集計してくれるため、単純な計算ミスが起こりにくい点も魅力です。入力内容に明らかな誤りがある場合は、メッセージなどで知らせてくれます。
税理士に比べ、費用を抑えやすい点もメリットといえるでしょう。
会計・経理ツールの代表的なデメリットは、操作に慣れなければならないことです。
また、利用するサービスによりますが、経営相談や資金繰りの相談などを行うことは基本的に難しいといえます。
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最後に、スタートアップ時に利用したい会計・経理ツールを紹介します。
クラウド会計ソフトシェアNO.1の会計・経理ツールです。経理の知識がなくてもミスなく操作できるうえ、経理の業務時間を大幅に削減できるため多くの方から支持されています。
ミスなく操作できる理由はガイドが付いているからです。業務時間を大幅に削減できる理由はAmazonやSuicaなど4,000以上のサービスと連携して転記作業や仕訳作業を自動化できるからです。
時間や場所を問わず操作できる点も見逃せません。
継続率99%(2020年1~6月期間。株式会社マネーフォワード調べ)を誇るクラウド会計ソフトです。
最も大きな特徴は、連携したサービスの仕訳候補をAIが自動で作成してくれることといえるでしょう。入力した内容をもとにAIは学習を続けるため、長く使うほど自動仕訳の精度は高まります。
ちなみに、Money Forward は3,000以上のサービスと連携できます。毎日の仕訳データをもとに、さまざまなレポートを作成してくれる点も魅力です。各種レポートを活用すれば、経営状況を見える化できます。
会計ソフトなどでおなじみの株式会社弥生が提供するクラウド会計ソフトです。簿記や会計の知識がなくても簡単に操作できるうえ、スマホアプリで撮影したレシートや領収書などのデータを自動仕訳してくれます。
もちろん、会計帳簿の作成、決算書の作成、レポートの確認も簡単です。選択するプランによっては、仕訳や経理業務の相談も行えます。
大きな成長を期待されているスタートアップ企業は、本業に集中したい思いが強くなるはずです。
しかし、経理を疎かにすると、年度末に苦労することや会社の実態が見えなくなることがあります。定期的に仕訳作業を行うなど、基本的なポイントは守るようにしましょう。
経理業務の負担を減らしたい場合は、税理士に依頼することや会計・経理ツールを利用することができます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、特徴を理解して選択することが重要です。
長期的な視点で対策を講じたい場合は、会計や経理に強い専門家に相談して万全の体制を構築することもできます。企業と顧問のマッチングサイト「顧問バンク」で、専門家を探してみてはいかがでしょうか。
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